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週刊レキオ掲載コラムログ No.01
てぃるる情報や週刊誌に掲載された相談員のコラムです。
女性の思い、しまいこまないで
わたしさえ我慢すれば…
「変だ」と思うのは変じゃない!


女性の思い、しまいこまないで

 はじめまして、てぃるる相談室です。これから数回にわたってエッセーを担当させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。このエッセーでは相談室の相談員個々ではなく相談室として、日ごろ考えていること、感じていることをお伝えしていきたいと思います。
 みなさん、「てぃるる」ってご存じですか? え? 聞いたことはあるけどよく知らない? そんな皆さんに、まずはてぃるるの紹介から。「てぃるる」は沖縄県男女共同参画センターの愛称です。平成六年に「女性問題の解決を図り、二十一世紀に向けて、男女共同参画社会の実現を目指す諸活動の拠点となる施設」として設立されました。こう書くとずいぶん堅いところのようですし、よく怖がられたりしますが、それほどでもありません(…)。まぁだいたい職員全体を足して田嶋陽子くらいですかね(まだまだです)。ひと言で言うと、女性が心地よく生きていくためのお手伝いをしているところです。そのためにいろいろな講座を行ったり、本や資料を貸し出したりしています。その女性センターの中に、わたしたちの相談室があります。
 相談室では、女性が抱えるさまざまな問題(悩みや迷い、疑問)の相談を受けていますが、わたしたちの仕事は、相談者が話すことによって問題を整理し、自ら解決への一歩を踏み出せるようお手伝いをすることです。
 「結婚しないの?」
 「子どもはまだ?」
 「嫁なんだからやって当然」
 「女々しいやつっ」
 「男なんだからしっかりしろよ」
 などなど、決めつけとも締めつけとも思える言葉、よく言われませんか? そしてよく言っていませんか? それらの言葉の背景には、人は(女は)(男は)こう生きるべきだという思い込みがあるように思います。この思い込みはこれまで必要だった部分もあるのかもしれません。でも、今では人を傷つけることのほうが多いように思います。このような言葉に傷ついて違和感を持っていても、わがままと言われて、その気持ちを心の中にしまいこんでしまうこと、ありませんか? その傷つきや違和感を共有する場所として、てぃるる相談室はあります。大したことじゃない、ってしまいこまずに話してみてください。
 すっきりするかも。
【週刊レキオ2005年2月10日号掲載】


わたしさえ我慢すれば…

 こんにちは、てぃるる相談室です。前回のエッセー掲載以降、同じ思いをされている方々からの声を聞くことができ、一同とても嬉しく思っています。
 今回は少し相談員っぽい内容でお送りしてみようと思います。
 夫のパーソナリティー(性格)について心配するあまり、妻が夫と親族、夫と第三者との調整役を担ってしまうということがあります。夫の会社に欠勤の言い訳の電話を入れたり、「夫は無愛想だから」とか「夫は口が悪いから」というように夫の気持ちを代弁したり、夫の後始末をしたり…。時には周りから「奥さんなのに知らないの?」と言われ、まるで夫の行動の責任が彼女にあるかのようです。夫への評価が自分への評価につながると考えてしまうのかもしれませんね。
 そのように女性が夫や周りに働きかけることで、「しっかりしたいい奥さん」と評価されることもあるかもしれませんが、一方で「うるさい奥さん」とみられてしまい、不公平だと感じる場合もあるようです。
 女性のそのような相談からは、「妻」として、「嫁」として、何らかの役割を果たさずには自分はそこにいてよいのかどうかさえわからないという思いが伝わってきます。そして、他者のニーズに応えようという責任感のあまり、自分の望みや気持ちを後回しにして必要以上に我慢している女性も多いように思います。
 女性がよく言われることに「あなたが我慢しなさい」という言葉があります。「母親なんだから」とか、「夫に養ってもらってるんだからいいじゃないか」と言われ、自分さえ諦めれば…と思い、時には他の人に心配をかけまいと誰にも相談できずにいることも多いように思います。しかし、我慢することは常に最良の選択肢なのでしょうか? 親として、子どものために我慢をすることはある時期までは必要かもしれません。しかし、夫との関係においては互いに対する尊重があるべきで、女性だけが我慢すればすべてがうまくいくわけではないですよね。一方が我慢を強いられることで、互いの間に不満や不信感が高まり、関係がかえって複雑化することもあるのではないでしょうか。
 夫婦や恋人、親子など、親密な間柄におけるそれぞれの役割について、それを当たり前と受け止めるのではなく、相手の求めていることは何なのか、そして本当は自分が何を求めているのか、立ち止まりつつ考えることが必要なのではないでしょうか。
 女性が家族や社会の中で身に付けてきた「役割」から、少し距離をおいて考えてみませんか?
【週刊レキオ2005年3月31日号掲載】


「変だ」と思うのは変じゃない!

 みなさん、こんにちは! てぃるる相談室です。火曜日から金曜日まで、女性の立場から相談を受けています。が、一口に女性の立場と言っても何だかピンとこないでしょう。「男女平等なのに女だけ特別扱い」とか「とにかく女性の言い分だけを鵜呑みにして男性を攻撃している」といった印象もあるかもしれません。ということで、今回は"女性の立場"についてこんな例からお話ししたいと思います。
 夫から「お前もパートで働いてるから生活費は平等に半々な」と言われて「なんだか変だな」と思う妻。しかし、どう反論していいか分かりません。妻は子どもの塾のお迎えなどで、フルタイムでなくパートでしか働けません。そのため、収入は夫の半分。以前は夫と同じくらいの収入があったので何でも割り勘で生活してきましたが、今は子ども中心のスケジュールなので、夫と同じように正社員として働くことはできません。近年、働く女性への育児支援が充実してきています。とはいえ、出産や育児で仕事を中断した女性が再び同じ条件で就職し、夫と同程度の収入を得ることはまだまだ至難の業です。
 ここで前述の「平等に半々な」という夫の発言は、夫と妻の収入格差とその背景を見落とし、収入があるという点のみでお互いが全く同じ立場にあるとする前提からきています。家庭を維持する責任は夫と妻の双方にありますが、何かひっかかった妻が夫にとっさに反論できなかったのは、「平等」の一言で"立場の違い"が見えなくなってしまったからではないでしょうか?
 ほかにも例えば、子育てを一切してこなかった夫が離婚時になって「今は男女平等だから、男にも育児の権利がある」と親権を主張するケースなど、平等という単語だけが一人歩きし実態を伴わない現状があります。女性が抱える問題の背景には、見落とされがちな「男性と女性が置かれた社会的立場の違い」が色濃く反映しているのです。
 そこで"なんだか変だ"と思える感覚は重要です。前述のように平等に聞こえるやりとりでも、その背景に焦点を当てて考えてみると、お互いの立場の違いが浮かび上がると思います。
 相談室のスタッフ自ら女性の立場で相談を受けるということは、その女性が置かれた社会的背景、今の立場などを共に考えていくことです。一般に女性は「なんだか変だ」と思ってもすぐ「変だと考える自分が変だ」と捉えがちです。しかし、個人的な悩みにすぎないと思える問題でも、広い視野で捉えると、社会的な共通の問題が背景にあります。変だと考えるあなたは変じゃない!
【週刊レキオ2005年5月12日号掲載】

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